排出された便をみたときに赤い色の血液のようなものが便に付いていてビックリしたり不安になった経験はないでしょうか。
赤い色がついた便の原因がただの痔や昨晩食べた韓国料理などであれば大丈夫ですが、もしかしたら大腸ガンの可能性があるかもしれません。
その血便の原因が大腸ガンなのか?それとも痔なのか?その他の原因なのか?
今回は、血便の症状やその原因について探っていきましょう。
1.日々の自分の排便後を確認しましょう
皆さん、日々のご自身の大便の色や形は確認していますか。
中には排便したら、そのまますぐに流してしまう人もいるかもしれません。
きちんと毎日の排便を確認することはとても重要です。
日々の大便をチェックしてご自身の健康状態を確認してみましょう。
2.血便の原因1:大腸ガン
大腸ガンの代表的な初期症状としてあげられるのが血便です。
大腸とは、水分やミネラルを吸収して、便をつくる働きをしています。
また、右下腹部の小腸終末部分から「盲腸(もうちょう)」「結腸(けっちょう)」「直腸(ちょくちょう)」の3つの部分に分けられ、
中でも古い便の溜まりやすい「結腸」と「直腸」がガンになりやすい箇所です。
もしも大腸ガンが原因による血便だった場合の特徴をいくつかご紹介します。
2-1.大腸ガンの特徴1:結腸ガン
結腸とは、大腸のうち小腸をぐるりと囲むように配置されたている場所にあります。
小腸から運ばれてきた食べものは、まだ殆どがドロドロとした液状で、この結腸により水分が吸収され便が固形化されていきます。
小腸に近い結腸では便が生成されている段階なので、もしも結腸にガンできていて出血している場合、便と血液が混ざっているる為、全体的に黒っぽい便の色になることがあります。
もしも黒っぽい便が数日続いて出ている場合は、念の為に大腸癌の検査を受けた方がいいかもしれません。
2-2.大腸ガンの特徴2:S時結腸と直腸
S字結腸や直腸は、大腸の中でも肛門に最も近い場所にあります。
また、S字結腸や直腸は、日本人の大腸ガンが最も多く発見される箇所です。
この器官にガンが発生している場合、血便が発見されやすいという特徴があります。
便は、結腸を通ってくる為、既に固形化され便として出来上がっている状態です。
固形化された便に血液がまとわりつくように付着します。
痔の症状と間違えることがありますが、見分ける方法があります。
痔の場合、血液がポタポタと滴り落ちることが殆どなのですが、
大腸ガンの場合、血液がべっとりして広がりにくのが特徴です。
肛門付近とはいえ腸の中で出血している為、切れ痔の場合は赤色よりは黒色に近い色をしています。
3.血便の原因2:痔
下痢や便秘、座り仕事など様々な原因によって肛門部分に刺激が与えられることで痔になってしまいます。
初期の段階では肛門をトイレットペーパーで拭いた際に軽く血が付着する程度ですが、
痔の症状が進行していくと糸をひいた様な鮮血が付着するので注意が必要です。
痔が原因で血便になる場合には、大きく3つの原因が考えられます。
3-1.裂肛(切れ痔)
便秘やその他の理由で固い便を無理やり排出しようとするときに、その刺激で肛門の粘膜が傷つくと裂肛(切れ痔)になります。
裂肛は痔核とは異なり激しい痛みが襲ってきます。
その為、排便をすることが恐くなり、トイレを我慢するようになってしまう人も多くいます。
裂肛の場合、肛門をふいたトイレットペーパーに少し血液が付着する程度です。
切れ痔は、比較的、便秘しがちな女性に多くみられる症状です。
3-2.痔核(いぼ痔)
痔核(いぼ痔)には、肛門の内部にできる「内痔核」と外側にできる「外痔核」があります。
主に排便時の力み過ぎや便秘などによっり肛門部に負荷がかかることで、直腸肛門部の血行不良が原因で起こります。
いぼ痔(内痔核)の血便の特徴は、鮮血がポタポタとたれ、少量の場合はトイレットペーパーに付着する程度です。
血液の量が多い場合、便器が真っ赤になるくらいの大量の血が出ることもあります。
3-3.痔瘻(あな痔)
肛門にある小さなくぼみ(肛門小窩)に大腸菌などが感染することで炎症が起こり化膿し膿が溜まることで、痔瘻(あな痔)になります。
便に血液が付着しているわけではありませんが、肛門からウミが出てくる特徴があります。
ストレスや繰り返される下痢による免疫力の低下などが原因で起こります。
老年から中年の方に多く、また男性に多くみられる症状です。
4.血便が続くようなら必ず病院へ
大腸ガンと痔の血便の特徴や関係性についてお伝えしてきましたが、
血便が黒っぽいから、血便が鮮血だから、という素人判断は危険です。
血便の疑いがあるかもしれない方や血便が続いている方は、素人判断をせず早めに医師にご相談されてください。
痔の症状が続いている状況も決して良い健康状態ではありません。
日頃から日々の便の状況を確認し、おかしいなと思ったら早めに病院にいきましょう。
4-1.大腸ガンが気になる場合
内科、消化器科、消化器内科、消化器外科、内視鏡内科
大腸内視鏡検査を受けられることをオススメします。
4-2.痔が気になる場合
肛門科、外科
外科や消化器外科の専門分野である肛門科がオススメです。